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2022.02.10
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【経営者・看護管理者必読!】
看護師が健康に働き続けるための新しい交代制勤務とは?

~日本看護サミット2021 講演「持続可能な職場環境へのチャレンジ」より~

 

編集部より

2022年2月4日、日本看護サミット(主催:日本看護協会)が「看護職の就業継続が可能な働き方で、看護の未来を拓く」をテーマに、パシフィコ横浜での会場参集とオンライン配信のハイブリッド形式で開催されました。その中から参議院議員の石田昌宏氏が看護師の働き方に大きな一石を投じる興味深い提言をした講演「持続可能な職場環境へのチャレンジ」について紹介します。不規則な勤務が避けられない看護師の働き方について、これまで勤務時間インターバルや勤務拘束時間の短縮化などの対策が講じられてきましたが、今回の石田氏の提言は新たな視点を看護管理者に投げかけました。病院の経営者・看護管理者の皆さまはこれから新たな視点を持って交代制勤務を考えていく必要がありそうです。

 

取材・文/高山 真由子(看護師・保健師・看護ジャーナリスト)

 

“当たり前”の勤務から新しい時代の新しい価値観に基づく勤務へ

 

参議院議員として働き方改革法案を担当していた石田氏は冒頭「健康で働くにはどうしたらいいか、看護職がそれぞれの多様性を持って共存するにはどうしたらいいのか、という視点を軸に考えていくことが看護管理者に求められる時代になった」と話し、来る2040年に向けて新しい感覚を持って労働を考えていくことの大切さを訴えかけました。

 

看護師の多くは24時間切れ目なく患者さんのケアにあたることから、働き方を考える上で夜勤を避けて通ることはできません。石田氏は、工場やコンビニにおける24時間の交代制勤務を例にあげ、それらが看護界ほど問題になっていないことを示した上で、看護師の現在の不規則な働き方について「時差ボケ誘導シフト」と例え見直しの必要性を訴えました。

 

また、長い間そのような勤務が“当たり前”に続いている看護界の現状に疑問を投げかけ「交代制勤務そのもののありかたについて1度考え直しませんか?」と会場の参加者とオンライン視聴者に問題提起しました。

 

 

 

 

 

「健康」をキーワードに2040年に向けた看護師の勤務のあり方を考える

 

看護師から夜勤をなくすことはできませんが、現在の看護師の交代制勤務は「健康が大事な時代に身体をいためながらする仕事の仕方」であると話し、「いかに健康に悪くない夜勤の仕方をするかは議論ができる」とし、「健康」をキーワードにした交代制勤務のあり方を考えようと訴えかけました。

 

これには、1999年に労働基準法が改正され女子保護規定が撤廃されたことを機に、2000年以降女性の健康の視点に移行してきている背景があります。2040年に向けて私たちも考え方を変化させ、女性の健康を守るために勤務体制がどうあるべきかを考えていく必要があると説明しました。

 

石田氏は最後に「未来型の新しい価値観に基づく看護師の勤務とは何か、新しい価値観を持ってもう1度私たちの働き方を見直すチャンスになれば」と話し、持続可能な職場環境へのチャレンジについて今後の改革に期待を寄せました。

 

  

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