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2023.04.12
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聴力低下高齢者の孤独感が要介護状態新規発生と関連
国立長寿医療研究センターが研究成果を発表

メディカルサポネット 編集部からのコメント

耳が悪く音が聞こえにくくなった高齢者は、そうでない人より新規の要介護状態になりやすいという研究結果を国立研究開発法人国立長寿医療研究センターが発表しました。研究対象者は4,739人です。さらに実験では、耳の聞こえが悪くなった人の中で孤独感を感じている人は、感じていない人よりも1.7倍要介護状態の新規発生が認められたということです。

                   

 国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは10日、老年学・社会科学研究センターの冨田浩輝研究員と島田裕之センター長らの研究グループが、聴力が低下した地域在住高齢者の孤独感が要介護状態の新規発生と関連することを明らかにしたと発表した。【新井哉】

   

 加齢に伴う聴力低下が孤独感と要介護状態の新規発生に与える影響については、これまでほとんど検討されていなかった。そこで、研究グループは、老年症候群のリスク把握や効果的な対処方法を明らかにするための大規模コホート研究に参加した愛知県東海市在住の65歳以上の5,563人を対象に、孤独感と要介護状態の新規発生の関連を縦断的に分析した。

   

 孤独感は、孤独感を数値的に測定する「UCLA孤独感尺度:第3版」の質問項目で尋ねた。聴力低下は、難聴高齢者のハンディキャップスクリーニング検査で評価した。研究の参加基準を満たした対象者 4,739人の要介護状態の新規発生率は、聴力低下のない群は4.5%だったが、聴力低下のある群では8.3%と割合が有意に高かった。

   

 また、要因から結果が起きる確率を予測するロジスティック回帰分析の結果、▽教育年数が少ない▽現在は仕事をしていない▽1人暮らし▽運動習慣がない▽難聴の重症度が高い-などの特徴のある人が、孤独を感じやすいことも示唆された。

  

 聴力低下なしの群と聴力低下ありの群で分類して分析した結果、最初の調査から24カ月後、聴力低下なしの群では、孤独感は要介護状態の新規発生と有意な関連は認められなかった一方、聴力低下ありの群では、孤独感がある場合、孤独感がない場合と比べて要介護状態の新規発生が約1.7倍も認められた。

  

 研究グループは、「聴力低下は、老年症候群の最も一般的な症状であり、さまざまな危険因子の中でも孤独感は、聴力低下のある地域在住高齢者の介護予防戦略において、特別な注意をする必要がある」と考察している。この研究の成果は、医学ジャーナル「JAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgery」に掲載された。

       

 出典:医療介護CBニュース

  

  

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