メディカルサポネット 編集部からのコメント依存症は早期治療が効果的です。久里浜医療センターと、EAPコンサルティング普及協会は、依存状態にある従業員をできるだけ早期医療につなげる連携支援を進めます。重症患者だけでなく、依存の危険性がある人も含めて、幅広く患者を診察することで、職場の能率UPにつながることを期待されています。 |
国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)はこのほど、「依存症医療の普及啓発等に係る協定」をEAPコンサルティング普及協会と締結した。アルコール健康障害をはじめ、ギャンブル依存、ネット依存などの状態にある従業員を、企業などができるだけ早期に医療につなげられるよう、支援を進めていく考えだ。【大戸豊】
久里浜医療センターは、アルコール依存症をはじめ、ギャンブル依存、ネット・ゲーム依存などの専門的治療を行う医療機関として知られる。
Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)とは、メンタルヘルスや個人的な問題などでストレスを抱えている従業員を支援するためのプログラムで、EAPコンサルティング普及協会では、プログラムの普及や、企業にEAPについてコンサルティングをする人材の育成などを進めている。
同協会の市川佳居理事長は、企業でも従業員のアルコール依存が見逃されることは多く、問題を把握できたとしても、どこに相談すべきか分からないことも多いとし、久里浜医療センターとの協定を通じて、医療へのアクセスを良くしていきたいと話している。
久里浜医療センターの樋口進院長は、「依存症は本人が隠したがり、受診のモチベーションもあまりなかったり、あっても示しにくい。そのため受診をプッシュしていく必要がある」と指摘。また、家族が受診を勧めても本人が動かないことも多いので、職場から受診を勧めたりしてもらうことも重要になるとした。
同院ではこれまでアルコール依存症の重症患者を多く診てきたが、依存症までではなくても、アルコールによる健康障害の危険性がある人も含めて、幅広く患者を診ていきたいと考えており、受診につなげてもらう支援が必要なことから今回、同協会との協定に至った。
樋口院長は、本人も上司もアルコール依存だと思わず、健康障害になっていく人も多いとし、病院への紹介が容易になれば、重症化したり、健康障害がひどくなったりする前に治療ができることから、結果的に職場の能率が上がるのではないかとしている。
出典:医療介護CBニュース
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