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2018.06.20
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【中医協】医療機関から購入元卸のデータ収集へ
今年度の薬価調査実施案を了承

メディカルサポネット 編集部からのコメント

消費税率が10%になることに対応し、2018年度に実施する薬価と材料価格の調査実施案が、中央社会保険医療協議会(中医協)了承されました。薬価調査では、医薬品をどの卸から購入したかをわかるようにすることで、調査の正確性の向上を期待しています。

 

厚生労働省は20日、消費税率の10%への引き上げに対応して2018年度に実施する薬価と材料価格の調査実施案を中央社会保険医療協議会にそれぞれ提示し、了承された。薬価調査では、医薬品をどの卸から購入したかなど、購入元に関するデータを医療機関や薬局側から新たに集める。医薬品の数量や価格など取引内容のデータが販売側と食い違う場合、正しいかどうかを確認できるようにすることで調査の正確性を高めるのが狙い。【兼松昭夫】

 

中医協の様子(20日、厚労省)

 

 厚労省の担当者は総会終了後、「(販売側と購入側双方のデータを)突合して食い違いがある場合、今までは、間違いがないか卸に確認していたが、(取引先が)どの卸か分からないという限界があった。今後はどの卸かが明確になるので、一致しないときにはその取引の数量や価格に間違いがないか、その卸に問い合わせることが可能になる」などと述べた。

 

 医薬品の市場実勢価格を薬価に反映するため、薬価調査は従来、医療機関や薬局などの購入側と、医薬品卸など販売側の双方を対象に診療報酬の改定がない年に行ってきた。しかし、19年10月に予定されている消費税率の引き上げに伴う財源配分などの対応に実態を反映させるため、収載済みの全品目の実勢価格を18年度に調査する。

 

 厚労省案によると、18年度調査では、年度内の1カ月分の取引状況を把握する。18年度薬価改定のために実施した前回の調査では17年9月の取引分が対象だった。

 

 また、販売側の調査は全国の医薬品卸の全営業所など約6300カ所を対象にするが、今回は購入側の調査対象の抽出率を見直す。これに伴い、購入側のうち病院の対象は17年度の864カ所から18年度は約420カ所に、診療所は1036カ所から約510カ所に、薬局は1926カ所から約950カ所にそれぞれ半減する。

 

 同省の担当者は総会後、「購入先の卸の名称を書いていただくことで(調査の)正確性がかなり向上するので、(調査対象の)抽出率に関しては負担軽減を兼ねて半分にする」などと説明した。

 

 中医協・薬価専門部会の質疑では、消費税率の引き上げが今回も見送られた場合、調査結果を薬価に反映させないよう求める意見があった。これに対して厚労省側は、「今回の改定は消費税の引き上げに伴うものという趣旨に照らして検討すべきものだと考えている」「消費税率の引き上げが延期になることは想定していない」などと答えた。

 

  
出典:医療介護CBニュース

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